土曜日、市内にあるふとんの池田にマットレスを買いに行った。今使っているベッドマットレスでは腰が痛いためである。40年も使っているマットレスなのでスプリングがへたり、腰の部分が沈み込むことで体に変調をきたすことは承知している。3、4年前からトゥル―スリーパーを敷いていたのだが、沈みこみが深く寝がえりを打つのに苦労し、どうにも合わないようで我慢できなくなった。外してマットレスだけで寝ていたが、やはり改善しないでいたところへ、妻宛てに西川の「エアー」を特売するというダイレクトメールが届いた。大谷翔平が宣伝しているAiRは、次男が数年前から使っている商品でもある。これは啓示か、4万円を握りしめ開店を待った。

遠征登山では疲れを残さないために

遠征登山するのに、旅館などに泊まれればいいのだろうが、少ない年金暮らしの身としては、日帰りの登山では車中泊を基本としている。自家用車はホンダのフリードである。5年前は左側のシート2つを倒して、クッションを凹みにあてて平らなようにして寝ていたが、神経質タイプかつ酒の飲めない私は寝つきが悪く、夜中に目が覚めるため、疲れを残したまま登山することが常だった。ワンボックスや最近の荷台がフラットになる車を買えればいいのだがほかの事情もあってそうもいかない。そこで考えたのが、助手席と左後部座席に橋脚を置き、それに橋梁を渡し、その上に板とクッションを敷くというものである。橋脚部分は、綿密に角度と高さを測り、沈み込みも若干計算し2×4材で作った。板は化粧コンパネを60㎝角に切断し、蝶番で折りたためるようにした。クッションはホームセンターで売っている60㎝×180㎝の1980円で間に合わせた。しめて5000円くらいでできた。

助手席と後部座席では高さが違う
180㎝は2列シートにピッタリ。フリードを買う時から寸法を確認済

快眠は平らな寝床プラス眠剤

60㎝幅の寝床は、山小屋サイズである。大天井の小屋に泊まった時は寝返りも打てない45㎝もなかったことを考えれば、いびきも聞こえないし極楽である。コールマンの綿入り寝袋とハーフケットに入れば、標高にもよるが5月から9月までは寒くない。夏はパスタオル1枚で十分である。これを使うようになったのは2016年からであるが、やはり寝入りばな明日の天気、時間通り起きられるかなど心配ばかりで早寝ができないでいた。そこで2018年から主治医に相談し軽度の眠剤をもらうことにした。準備万端整えて、車のライトを消したことを確かめ、21時前には飲んで床に就くようにした。30分足らずで効果が出て、6、7時間後はすっきり夜明けを迎えられる。

クッションの上に寝袋を広げれば寝台の完成

山小屋のいびきもシャットアウト

山小屋で眠剤を試したのは五竜山荘であった。9月下旬、8時にゴンドラで上がり、11時半唐松岳に登り、五竜山荘についたのは14時。明日は雨の予報が出ていたので五竜岳をピストンし15時40分小屋に入った。与えられた寝床は2段ベッドの上である。緊張の中岩稜帯を歩いてきたためか太ももが吊る。食事に行った以外布団を抜け出せず13時間寝っぱなしだったが、眠剤を飲んだことで苦しまずに休むことができた。以来、高速道のSAでも、道の駅でも、山小屋でも眠剤は欠かさないようにしている。

さて、西川のエアーだが、既存のマットレスの上に敷く4万円のものでは、効果は得られないとのアドバイスにより、既存マットレスは廃棄することにして少し厚めの6万円のものを買うことにした。1割引きなので通販より安く、廃棄処分費は無料とのこと。まだ届かないが、楽しみで寝られない。

著者

わたるくん

1955年生れ 登山を頻繁に行うようになったのは退職後、地元の山岳会に入ってから。 2017年から2020年まで山形県自然公園管理員(鳥海国定公園)。

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