「SEA TO SUMMIT」とは、人力のみで海(カヤック)から里(自転車)、そして山頂(登山)へと進む中で、自然の循環思いを巡らせ、かけがえのない自然について考えようという環境スポーツイベントです。と公式ホームページに書いてある。北海道から沖縄まで、2019年現在14箇所で開催されているアウトドアイベントである。ここ鳥海山が参加したのは2011年のことで、全国では2009年の皆生大山大会、11年の大雪旭岳大会についで3番目と早い。東北では17年開始の宮城加美町大会がある。

大会ごとに特徴がある

14大会もあれば海と山の地形は様々なので、開催会場により特徴がある。千曲川・高社山大会は、SEAであるはずなのに千曲川川下りが海の代わりであるし、野尻湖、びわ湖のように湖でカヤックを漕ぐといのもある。自転車にしても、江田島、三重紀北、やんばるのようにほとんど0mのロードというものから、皆生大山、大雪旭岳、妙高野尻湖、鳥海山のように山岳ロードを登るものもある。山にしてもさまざまである。標高1500mをこえるのは、大山、大雪旭岳、鳥海山、火打山(妙高野尻湖)くらいで、ほかは距離も短く、標高も低いものが多い。参加するには個人でもグループでもよいので、ロードバイクが得意なら平坦なロードがよく、マウンティンバイクなら山岳登りが得意ということになる。登山が苦手なら標高の低い所を狙うといい。

鳥海山のSUMMIT

大会バランス1位は皆生大山

どこの大会がバランスがとれているか。いろいろな視点があり一概に決めるのは憚られるが、あえていえば、1位皆生大山、2位鳥海山であろう。大雪旭岳は湖だし途中ロープウェイを使う。野尻湖も海じゃないのでボツ。ほかは山が1000m以下と低い。江田島、岡山備前、やんばるは標高500mに満たない。鳥海山が2位の理由は、大山に比べてカヤックが湾の中で距離が短いこと、バイクがいきなり0mから1150mまで登らなくてはならないことである。大山は743mの標高を最初は平坦徐々に登りとバランスが良い。ハイクは大山が4キロと物足りないが、鳥海山は7キロ、標高差1000mあるため、タイムリミットが3か所設定されておりハードすぎる点がマイナスになる。

2016年第5回大会スタッフ従事

鳥海山中腹から日本海を眺める

私がこの大会の存在を知ったのは、はっきりしないが13年ころだと思う。遊佐町西浜に法事で寄った際、多数の自転車が置いてあり、ホールではイベントの準備がされていた。ポスターをちら見しただけなので詳しくわからなかったが、後でモンベル酒田店(とがしスポーツ)で詳細を知ることになる。そして、16年8月28日、誘導スタッフの一人として鳥海山七五三掛まで登ることになる。早朝鉾立に着いて、1時間で御浜まで登り、さらに七五三掛を過ぎ、千蛇谷に下りる岩場に位置したのである。晴れてはいるが日陰の岩場は風のとおりのいいこともあって寒く、昼過ぎには下腹が痛くなってきた。大方の選手が帰途についたこともあって、2時過ぎ御浜のトイレに駆け込んだ。今の御浜のトイレは改築されたものできれいだが・・・。その時貰ったTシャツを今年出して着ている。

閑話休題

大山夏道は階段が長く続き段差も高い

昨年5月、伯耆大山に登った際、麻袋に石を詰めて置く、登山道整備をしていた女性に質問をした。「山小屋に勤めているので整備している。SEA TO SUMMIT第1回大会が開かれた山なので、楽しんで山登りしてもらいたい。」とのことだった。モンベル大山店は大山寺参道沿いにあり、単にスポーツショップだけでなくベーカリーカフェ、地物野菜販売をしている地域の賑わい施設である。豪円湯院でお風呂と食事をしたのだが、そのあとここに寄らなかったのがいまさらながら残念である。

著者

わたるくん

1955年生れ 登山を頻繁に行うようになったのは退職後、地元の山岳会に入ってから。 2017年から2020年まで山形県自然公園管理員(鳥海国定公園)。

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