登山用品で一番重要なものは登山靴、トレッキングシューズである。ほかのものは大抵ある物で間に合うが、靴はピッタリ合ったものでないと酷い目に遭う。私が百名山などを登る際履いているのは、MEINDL(マインドル)パラディソ(たぶん)と同じくエアレボリューションである。この靴との出会いは8、9年前になるだろうか。モンベル酒田店に登山靴を買いに行ったとき、どうしてもモンベルを履きたくなくて、いくらか幅の広い靴という私の要望に勧められたのがMEINDLだった。私は足のサイズが24.5㎝と小さい。男子の靴のサイズは25㎝からというのがほとんどので、なかなか適したものに出会わないのが悩みだった。そんな中、モンベル店にもかかわらず、日本人の足に合うのでと25㎝のMEINDLを取り寄せしてくれた。
学校登山のHawkinsで酷い目に
20年前になるだろう、小学5年生の長男の学校登山で鳥海山に一家で登ることになった。以前、バイパス沿いの靴屋から買ったHawkinsでたまにトレッキングをしていた。妻も登るということで、1万円しないゴアテック付きのHawkinsを買い、それを履いて登った。登っている最初のうちはそれほどでもなかったが、脚の小指が傷みだし、下山時は更に痛くなった。登山口で靴を脱ぐと、小指の爪が充血しつぶれていた。親指のゆとりは気にしても小指の当たり具合まではチェックしていなかったのが原因である。その後も、痛いながら履き続けたのがいけなかったのだろう、薬指の爪は縦に山ができてしまい、痛くはないが爪を切るのに一苦労する。そんなことから、値段が高いからいいとか、安いからダメとかではなく、足に合ったものを選ぶことが重要なのである。ただし、長く使うとソールが剥がれることがあるので、いいものは張り替えして使うことをお勧めしたい。
岩稜帯の歩行にMEINDL威力発揮
したがって、通販で靴を買うことはお勧めしない。一度は履いてみないと自分に適しているかわからないからである。一度そのメーカーの足形が自分に合うのが確認できれば、別の種類を通販で買ってもよい。そうして買ったのが、MEINDLのエアレボリューションである。パラディソはアッパーがヌバックレザーで堅牢であるため、岩稜帯の縦走などにピッタリな靴である。多少重いが、岩の小さな突起につま先を置いても安定して体を支えてくれる。だから、17年の冬、ソールの張り替えをして貰い、18年の剱岳登山に備えた。実際には19年の登山となったが、7月に剱岳・立山、9月に槍・穂高縦走をした靴である。それ以外のそれほど岩場がない登山にはエアレボリューションを愛用している。日帰り登山、登り下りで5、6時間履きっぱなしの歩きっぱなしなので、やはり軽いのがいい。ベロアレザーなので、外側を岩にぶつけて痛いこともあるが、1度か2度のことなので我慢している。エアレボリューションも19年冬にソール交換をして、南アルプス縦走に備えたがコロナ禍で残念な結果になった。来年リベンジできれば・・・と思っている。
普段の鳥海山巡視にはSALOMON
お出かけ登山にはMEINDLだが、公園管理員として巡回するときはSALOMONのトレッキングシューズミッドカットタイプ、9000円台を履いている。その理由は、足に合うのは以前から知っていたこと、そして最大の理由は安いからである。普段履きで汚れても、川に入ってもいいというのが理由であるが、やはりソールが薄いので岩場歩きは疲れる。八丁坂を下りる際、足裏に石の突起が直に伝わるのが難点だ。それにソールが滑る。何度も歩いている登山道だから、滑りやすい場所が分かるからこれで足りているところがあるのだ。前に履いているのが底が減ってきたので、今春同じものを買って使い分けしている。以上のとおり、使用中のトレッキングシューズは3種、4足ということになる。4足が多いか少ないかはわからないが、すべてミッドカットである。コロンビアのローカットの靴もあるがこれは街歩き用にしている。トレイルランナーはローカットシューズでバンバン走って登り下りしているが、成り立て高齢者はくるぶしを包んでくれるミッドカットが、笹の刈られている所や岩の突起部を歩くのに安心なのである。人の真似をするこはない。靴に関しては唯我独尊が好いのである。