桃洞滝の稿でも書いたが、お盆まで暑かったこととワクチン接種を8月下旬まで終えてなかったことでなんとなく山行を控えていた。ワクチンの効果が効きだすであろう接種後1週間後に、東北の山で比較的短時間で登り下りできる山ということで、盛岡市の北にある姫神山に行くことにしたのは、8月31日の午後である。酒田から旧渋民村までは約4時間かかる。盛岡手前の「雫石あねっこ」で夕食と入浴するつもりで午後6時前「あねっこ」に着いたが、平日ということで夕方の食堂が休みとのこと。ネットで調べたとき見逃したのか、苦情を言っても仕方がない。10数㎞盛岡寄りに走って肉野菜ラーメンを食べた。翌朝通った時気付いたのだが、もう100m先の盛岡冷麺の店にすべきだった。スマホをサクサク使えたらこんなことにはならないのにと反省したものである。

麓からの姫神山

一本杉園地からスタート

姫神山は北奥羽三霊山(岩手山、早池峰山、姫神山)のひとつということで、岩手山と夫婦だった、早池峰山との三角関係だったとの昔話がある山である。標高は1124mと低く、緩やかな円錐形のため盛岡市民が愛好する山のようであることは、駐車場に盛岡ナンバーが多いことで証明されていよう。登山口は一本杉、こわ坂、田代、城内の4つがあり、最も短いのは田代口であるが、多く利用されているのは一本杉口である。山頂までは1時間半ほどと運動不足の身としては適当だろうと選んだのである。コースは、一本杉コースで登りこわ坂コースを下りる周回コースとした。9月1日8時5分、登山口を出発。10分後にあるという一本杉を見逃してしまった。というのは、いつも登り始めに妻にラインをするのだがつながらず、スマホの電源が落ちるトラブルがあった。それを気を取られ見逃したようだ。登ること、コースの状態、標識などなど見逃すようではとても高い山に安心して登れないのであるが・・・

姫神山登山コース案内図

山頂付近は岩場を登る

道は途中から階段になり、20分後に5合目に着いた。頂上まで1360mの標識と、10m刻みと細かいのは珍しい。登山道は所どころに大きな岩が出ている。6合目で1回目の休憩をとることにした。スマホをいじっていたらLINEがつながるようなので登っていることを送信した。出発してから50分後に8合目を通過する。ここからは木の根が露わな急登になっており、一番の踏ん張りどころである。やがて森林限界となり、振り返ると岩手山が間近に見える。切り餅を乱暴に積み上げたような岩場を滑り落ちないように登ると城内コースと合流する。最後の岩場を登ると祠が現れ、その先にトラロープで囲われた三角点が見える。そこが姫神山の頂上で到着時刻は9時30分だった。折れた三角点、横倒しの三角点などなど、多くの三角点を見てきたが、厚さ約10㎝、約1m四方のコンクリートに直径10㎝ほどの真鍮の鋲的なプレートに国土地理院、三角点と刻まれているのは初めてである。

頂上の三角点(手前のコンクリート)の先に岩手山

こわ坂コースは下山は怖い

20分滞在し、頂上手前で別の道がこわ坂コースかと思い登ってきた道を下ると、また頂上脇に出た。この道は岩場を通らずに頂上に出る道だったのである。頂上に出る途中にこわ坂コースの標識が見えたので今度は間違わずにそこを下ったのは10時ちょうどのことである。一本杉コースと同じように樹林帯の中を下るのだが、階段とかの工作物がない分自然の段差になっており、土の斜面は滑りやすい。ストックを1本持っていたので段差のあるところはそれを使って下りたが、下山に使うのは慎重になるべきである。下山後40分で車道に出る。登った時には10数台だった車の数は、駐車場に着いた10時55分には40台ほどに増えていた。そのほとんどは岩手、盛岡ナンバーでよそ者は私の車くらいで恐縮した。早々にユーユーラント姫神温泉に入るため発車した。

頂上でポーズをとる私
著者

わたるくん

1955年生れ 登山を頻繁に行うようになったのは退職後、地元の山岳会に入ってから。 2017年から2020年まで山形県自然公園管理員(鳥海国定公園)。

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