熊本県南部の豪雨災害は6日現在死者49人と新聞報道されている。今年5月下旬に九州の百名山を回る計画がコロナで行けなくなり、8月にでもと考えていた矢先の九州に大雨である。今日は日田地方の筑後川の増水がテレビで流れている。登山道の被害の様子は、これからネットに出てくると思われ、その情報により山行を練り直さなくてはならない。
2018年8月5日の豪雨により避難指示
これほどの雨量でなくとも、集中豪雨は時に山にも被害をもたらすことがある。おととしの8月5日、10時半ころから雷とともに強く降り出した雨は、八幡総合支所管内の大沢、観音寺、一條地区に「大雨避難指示」を出すに至った。大沢観測所の雨量計は、13時に53ミリ、14時に63ミリ、15時に16ミリ、16時に56ミリを計測し、16時の累積雨量は203ミリに達した。荒瀬川の水位は上昇し氾濫警戒水位を超えたと考えられる。これまでの大雨でも市条の水位が警戒まで近づいたことはあったが、避難指示を出したことはなかった。ここ50年間で初めてのことであった。一方、大沢地域より北側、鳥海山を水源とする日向川水系の雨量は、大台野観測所の雨量計が17時の累積雨量121ミリと大沢の半分であった。
荒木川の岩が崩壊に橋に引っ掛かる
鳥海山の雨量は、大沢に比べれば少なかったが、なにがしかの被害があったかもしれないと思い、7日登山道巡視に出かけた。滝ノ小屋駐車場には15台の車が駐車、うち県外ナンバーは12台で大阪、和泉、石川ナンバーもあった。滝ノ小屋まで行く間に荒木川に登山シーズンだけ架ける木の板の橋がある。川に下りるといつもと雰囲気が違う。橋の下に一抱えもある石が5、6個引っ掛かっているではないか。幸い板は流されずに済んだが、また大雨があったら板が飛ばされそうである。さらに滝ノ小屋から先の斜面、草津川の沢が崩壊して、登山道の一部が変形している。ここはなんとか登れそうなので一安心である。山をおりてから、すぐに総合支所に報告した。1か月後の9月8日、山岳会の人たちによって、荒木川の石は下に転がすことができた。もし大沢と同じくらいの雨であったら、板ばかりかコンクリートの橋脚も被害を受けていたことだろう。
雨雲レーダーで雨量を確認して登山を
文明の申し子スマホ。登山の強い味方、雨雲レーダーを活用したい。当然計画段階で天気を調べる。雨が予想されれば、どの程度の雨か、登山の時間と雨の量、風速を考えて登るか止めるか判断することになる。その時頼りになるのが雨雲レーダーである。4、5時間先の雨雲の掛かり具合を予報してくれる。登山道は地面より掘れていることが多い。強い雨が降れば沢となる。いつだったか、河原宿から八丁坂を下るとき、くるぶしまで達する沢水の登山道を下りたことがある。30分ほど下れば滝ノ小屋に着くのと歩き慣れた道なのでそう心配はしなかったが、恐怖を感じたものだ。あわてて下りると、足をくじいたりするリスクも高くなる。細心の注意をはらい登山してほしい。