これまで百名山を39座登っていたので、今年中にもう一つ登りたいということで五竜岳に行くことにした。五竜岳のみを目的とする登山はあまりない。大抵は鹿島槍か唐松岳かの縦走である。2018年の長野県は曇りの日が多く、長期天気予報も晴れが続かないなか、最終日は雨を覚悟に、9月28日~29日の唐松岳経由の五竜岳登頂を計画し、27日10時過ぎ、白馬村に向け出発した。北陸道を走っている最中も何度かにわか雨に見舞われた。夕方前に白馬村に着いたので、鹿島槍ヶ岳登山の下調べとして大町市扇沢まで行き、パンフレットを仕入れて戻る。道の駅白馬でそば定食を食べ、十郎の湯に入り、道の駅白馬に車中泊した。

ゴンドラ八方駅に並ぶ登山者

八方池の湖面に映る白馬三山

9月28日金曜日、5時起床。翌日の下山口、白馬五竜テレキャビンとおみ駅に車を停め、JR神城駅まで20分歩く。白馬駅で降りバスを探したが見つからないので、タクシーでゴンドラ八方駅に向かった。日差しある7時半の八方駅にはすでに50人ほどが改札を待っていた。8時に乗車、黒菱平らでコンドラを下りリフトまで歩くと白い白馬岳が朝日に輝いている。8時半前に八方池山荘着く。今日いっぱいは天気が持ってくれと願いながら八方尾根に一歩を踏み出す。最初の目的地は白馬三山が湖面に映る八方池だ。八方山ケルン、第2ケルン、八方ケルンと標高を上げていくと、眼前に白馬三山に不帰ノ嶮が雲の間に見え、八方尾根を歩いているんだと実感する。登山道を外れ八方池に降りる。何人ものハイカーがカメラ、スマホを構えているが、残念ながら白馬三山の峰の一部は雲に隠れている。それでも湖面は波がないので逆さ白馬をカメラに収めた。

八方池と白馬三山

八方尾根から不帰ノ嶮を見る

八方池では一眼レフを三脚に据えたおじさんにスマホで撮影してもらった。満足。10分足らずの滞在で登山再開する。途中水分休憩をとり、丸山ケルンへは10時25分に着く。ここから唐松分岐までは40分だろうか、右手に白馬連峰が迫ってくる。天狗の尾根の手前が切れ落ちているところは不帰ノ嶮である。八峰キレット、大キレットとともに三大キレットのひとつだ。天候が良ければ、かつ体力があれば後立山全山縦走もあろうが、それは夢の中に留めるのがよかろう。さて、八方尾根の左右を見ながら2620m唐松岳分岐に着いた。雲一つない剱岳八ツ峰が目の前にゴツゴツした姿である。白馬岳で見た時より大きく見えるのは当然といえば当然である。

不帰ノ嶮

三百名山唐松岳から剱岳を見る

分岐から右を見れば緑と白のコントラストの唐松岳がまぶしい。西の富山県側は緑で覆われているが、東の長野県側は白馬岳もそうだが浸食が進み崖である。いったん下り100mほど登り返す。鞍部から南を見ると、東側の沸き立つ白い雲と白岳そして五竜岳が青黒くどっしりと聳えている。11時25分ようやく唐松岳に着く。登山開始から2時間45分、天気に恵まれたハイキングであった。不帰ノ嶮は長野県側の雲で見えないが、唐松岳頂上山荘はくっきりである。5分滞在で唐松山荘に戻り、白馬のコンビニで買った稲荷と巻きずし、それに草大福を出し、登山道脇のベンチで立山を眺めながら昼食をとった。

分岐から見る唐松岳
著者

わたるくん

1955年生れ 登山を頻繁に行うようになったのは退職後、地元の山岳会に入ってから。 2017年から2020年まで山形県自然公園管理員(鳥海国定公園)。

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