2016年の9月は、2つの団体山行を予定していた。一つは9月1日から3日にかけての山岳会と行く加賀白山、もう一つは9月16日から18日の地元旅行会社主催の常念岳、大天井岳、燕岳縦走であった。しかし、常念は最小携行人数に達しないと2週間前に中止を告げられる。休みもそれに合わせて調整している。さて、天気次第ではあるがどこにしようか。ハードな旅もいやだし、3日で3座登れるところとして、那須岳、男体山、日光白根山に行くことにした。急ぎ地図を整え、ドライブマップに蛍光ペンを引き、15日午後4時出発した。

阿武隈PAで車中泊

4時に酒田を出ると、那須に着くのは夜になってしまう。どこで車中泊をするかが思案のしどころである。国道47号、13号、福島から東北自動車道に乗り安達太良SAで夕食にした。そして、那須IC前で泊まる場所を選ばなくてはならない。PAに寄り状況を伺うがここはというところがない。しかたなく阿武隈PAに草鞋を脱ぐことにした。PA内の車中泊は初めてで、ゆっくり眠れなかった。大型車がエンジンかけっぱなしで騒音うるさく、ライトは明るい、神経質な私は十分な睡眠をとれぬまま朝を迎えたのである。茶臼岳にはロープウェイで行くことに決めていたので、ゆっくりである。7時過ぎに出発し、いかにも高原の観光地の雰囲気満載の道を徐々に登り、8時前にロープウェイ山麓駅に着いた。

ロープウェイで茶臼岳へ

8時30分、出発便にスタッフのおばさんたちと4,5人の登山者を乗せてゴンドラは出発。5分で山頂駅に着く。天気予報が掲示されていたが芳しくない。外に出て茶臼岳を見上げると霧が少しかかっている。ガレ場の登山道を女性の後に続いてジクザクに登る。5分で牛ケ首分岐にでる。段々と霧が深くなる。風も出てきたのでウインドブレーカーを羽織る。登山開始から30分で茶臼岳の鳥居が見えた。祠に手を合わせ、1915m茶臼岳山頂で最初の記念写真を撮った。次は峰の茶屋方面に下りなければならない。標識のある度方向を確認し、標識を撮影し、進路を決める。9時35分峰の茶屋跡に到着。大きく下山路の看板があるが、ここは三本槍岳に登ってからの道になる。霧でかすむ登山道をリンドウの花に励まされ進むと、10時5分朝日の肩、同10分に1896m朝日岳に登頂だ。

茶臼岳の祠

最高地点三本槍岳へ

霧の朝日岳を下り、物騒な名の熊見曽根東端を通り10時45分清水平に着く。三本槍岳のほうを見ても霧で頂は見えない。北温泉分岐を過ぎたあたりからようやく三本槍岳が見えた。ナナカマドの灌木と笹原をかき分け進むと、左の笹がガサガサと揺れピタリと音が止み、またカサカサと遠ざかっていった。とっさに熊だと思った。が、体は動かない。鉢合わせをしないでよかった。10時22分、ようやく1917m、三本槍岳の広い台地に立った。辺りは霧で何も見えない。山方向盤があるので雰囲気だけでも楽しもう。北は西吾妻に月山、東北に安達太良、霊山、南西に男体山、日光白根山、西に会津駒ケ岳、燧ケ岳の名が刻まれている。私の後に登ってきた人に熊に会わなかったかと尋ねたが、分からなかったとのことであった。恐る恐る下山についた。

三本槍岳山頂の様子

噴煙上げる茶臼岳

12時8分、再び熊見曽根分岐辺りで雲が晴れてきたら、進行方向に茶臼岳が見えてきた。茶屋跡から山麓駅に下る下山道もはっきり見える。剣が峰の岩を眺め茶屋跡近くにになると、茶臼岳西斜面から噴煙を上げているのが見える。下山路を30分で下り、山麓駅駐車場に着いた。約4時間30分の那須岳登山が無事終わった。帰りは小洒落たレストランでパスタを食べてリゾートの雰囲気を少し味わった。

茶臼岳の噴煙
なにパスタだったか忘れてしまった

著者

わたるくん

1955年生れ 登山を頻繁に行うようになったのは退職後、地元の山岳会に入ってから。 2017年から2020年まで山形県自然公園管理員(鳥海国定公園)。

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